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流れ星TOP 2006/5/8 第28号
天に輝く花嫁の冠
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 今夜はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

        第28号 2006年5月8日発行
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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。

引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろんのこと、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。


さてさて。
4日の夜、家の近所(川口市北部)で、
シュワスマン・ワハマン彗星を探してみたんですけど。。。

予想光度は5.2等級ということで、
「かなり微妙だなぁ」と思ってはいましたけど、
都市部では、双眼鏡を使っても、予想以上にキビシイですね。

まだチャンスがあるので挑戦してみますけど、
私も含めて、都市部観望派の方たちは気合いを入れて探しましょう!


それでは、今週もよろしくお願いします。



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 ☆今週の話題
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 ☆1.春の夜空にひっそりと輝く冠

 ☆2.天に輝く花嫁の冠(かんむり座の神話)

 ☆3.木星によるさそり座β星食(35年前の1971年5月14日)

 ☆4.編集後記



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 ☆1.春の夜空にひっそりと輝く冠
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春の星座は、なんといいますか、
良い意味で派手さがない、というか、
ひっそりと輝いている印象があるのは私だけでしょうか。

そんな、春のひっそり感を象徴する星座の1つが「かんむり座」でしょう。

かんむり座は、プトレマイオス48星座の1つなので、
古くから親しまれてきた、歴史の古い星座といえます。
(プトレマイオスは2世紀ごろのギリシャの天文学者です。)

2等星のアルフェッカ(またはゲンマ)以外は、
4〜5等級と暗いのですけど、
これら7つの星が、うつわ状にキレイに並んでいるため、
昔から、人々の目を引く存在だったのでしょう。

ちなみに、
アルフェッカは「欠けた皿」、ゲンマは「宝石」という意味。
つまり、アルフェッカは星座の形から、
ゲンマは、冠に付けられた宝石から名付けられたというわけです。

このかんむり座は、
うしかい座とヘルクレス座のちょうど間に位置しています。

うしかい座の1等星アルクトゥールスと、こと座の1等星ベガの、
だいたい真ん中あたりで、7つの星の繋がりを探すことになります。

http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060508.html#01



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 ☆2.天に輝く花嫁の冠(かんむり座の神話)
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むかしむかしのことじゃったぁ。

クレタ島にミノスという王様がおったそうなぁ。

ミノス王はぁ、
宮殿の地下深くに巨大な迷宮ラビリンスをつくってなぁ、そこに、
頭が牛、身体が人間の怪物、ミノタウルスを幽閉しておったそうなぁ。

そのミノス王が地中海一帯に勢力をのばしてなぁ、
ギリシャのアテネを手中に収めたあとのことじゃぁ。
ミノス王は毎年、アテネに対して、
少年7人、少女7人を人質として差し出すように命令したのじゃぁ。

その人質は、あのミノタウルスの餌食にされるのじゃというぅ。
おそろしや〜おそろしや〜。

そんなある日ぃ、
アテネの王子テセウスが、ミノタウルスを退治するため、
クレタ島にやってきたときのことじゃったぁ。

ミノス王の娘であるアリアドネは、
テセウスを一目みるなり恋に落ちてしまったのじゃぁ。

そこで、アリアドネは、ラビリンスで迷わないようにと、
テセウスに道しるべとして糸車を渡したのじゃぁ。

ミノタウルスを見事に退治したテセウスは、
その糸車の糸を頼りに地上に戻り、無事にアリアドネと再会、
2人は結ばれたのじゃったぁ。

めでたしぃ、めでたしぃ、
といきたところじゃが、そうは問屋がおろさなかったぁ。

テセウスはアテネの女神のお告げに従って、
寝ているアリアドネをそのまま置いて、
島を離れてしまったのじゃぁ。

翌朝、目を覚ましたアリアドネはぁ、
テセウスがいなくなってしまったことを知るぅ。

一人悲しみに暮れるアリアドネぇ。。。

そのときじゃぁ。
酒の神デュオニュソス(バッカス)がアリアドネの前に現れたぁ。

そして、デュオニュソスはアリアドネを妻にすることにしてなぁ、
花嫁への贈り物、永遠の愛の印として、
7つの宝石をちりばめた美しい冠を贈ったそうなぁ。

2人は幸せに暮らしたというぅ。

アリアドネが亡くなった後のことじゃぁ、
デュオニュソスはその冠を天に飾ることにしたというぅ。

それが、かんむり座となったのじゃぁ。

めでたしぃ、めでたしぃ。。。




って、私がいうのもなんですけど、
なんかヘンな話ですね。。。
結局、誰が主役なんだか、よく分からないし。。。

ちなみに。。。

埼玉県の秩父地方では、
かんむり座のことを「首飾り星」と呼んでいたそうです。

平安時代に活躍した平将門が、藤原秀郷との戦いに敗れた際、
その原因が、娘の「桔梗の前」と秀郷の内通にあったとした将門は、
桔梗の前の首を切ってしまいます。
その死を哀れんだ秀郷が、桔梗の前の首飾りを空に投げたところ、
首飾り星になったということです。



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 ☆3.木星によるさそり座β星食(35年前の1971年5月14日)
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35年前の1971年5月14日未明のこと。

さそり座のβ星(2.5等級)が木星に隠されるという、
珍しい天文現象がありました。

月が恒星や惑星を隠す現象は、
ごくたまに観ることが出来ますけど、
惑星が恒星を隠す現象はそう観ることは出来ません。

当時の食の様子はこんな感じでした。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060508.html#02

ただ、残念なことに、
この時は全国的にあまり天気が良くなかったらしいです。。。


私も、このような食(掩蔽)はまだ1度も観たことがありません。
ぜひ1度は観てみたいですねぇ。
視直径の小さな惑星が星を隠すなんて、
とってもスリリングに違いありません。

私は、食(掩蔽)現象を観るたびに、
「ああ、自分と、この2つの天体(隠す天体と隠される天体)は、
 いま一直線に繋がっているんだなぁ」
なんてことを思って、こう、なんというか、
遠くの星たちと自分との一体感のようなものを感じてしまいます



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 ☆4.編集後記
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実は。。。

ちょうど、この回が配送されている時間なのですけど、
私は、寝台特急「北斗星」に乗っています。

きのう(7日)の夕方に大宮を出発しまして、
本日の9時半前に、ですから、もうまもなく札幌に到着する予定です。

10日までの3日間で、
札幌、小樽、函館あたりを少しブラブラしてこようと思っています。
まあ、ちょっとした新婚旅行といったところです。

連休明けということもあって、
観光客も一段落しているでしょうか。。。

何かおもしろいネタがあったら、
次回のこの欄でお話しできればいいですね。


それでは、また来週にお会いしましょう☆彡



なお、このメルマガの全バックナンバーはこちらにご用意しております。
http://nagarebosi-kirari.com/index1-6.html



リースのまるい輪のかたちは
くり返される いのちの輝きのしるし。
決して つきることのない生命力への賛歌。。。



おうし座生まれ(4/20〜5/20)のあの人にこんなプレゼントはいかがですか?
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2006年5月10日夜21時ごろの東の空。
月がちょっと明るいですね。

シミュレーションでは、
かんむり座を分かりやすくするために、
月明かりを外しています。

うしかい座の1等星アルクトゥールスと、
こと座の1等星ベガを目安に、
おおまかな位置を確認しておくと探しやすいです。


ご覧のように、
7つの星がキレイにうつわ状に並んでいます。

緑の十字で囲んだ星が、
アルフェッカ(またはゲンマ)です。

かんむり座は小さくまとまった星座で、
その広がりは8度ほどです。

図の視野円は10度となっていますので、
低めの倍率の双眼鏡であれば、
なんとか1つの視野に入るかもしれません。


星座絵をはめこんで、
少しだけ雰囲気を出してみました。

かんむり座はひっそりというイメージにピッタリです。



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1971年5月14日2時42分。
(以下、埼玉県川口市付近で観測した様子となります。)

緑の十字で囲んでいる星が、
さそり座β星(2.5等級)です。

いま、まさに木星に隠されようとしている星は、
4.9等級の恒星です。

つまり、実は、
この時には2つの恒星が木星に隠されたことになります。


同日3時10分。
さそり座β星の潜入。


同日4時55分。
さそり座β星の出現。

β星は実に2時間近くも木星に隠されていました。

5時近くのため、だいぶ薄明が進んでいます。
地域によっては、
β星の出現は観測できなかったかもしれません。



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くり返される いのちの輝きのしるし。
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