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流れ星TOP 2006/5/15 第29号
シュワスマン・ワハマン彗星 16年後は…
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 今夜はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

        第29号 2006年5月15日発行
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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。

引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろんのこと、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。


寝台特急「北斗星」に乗ってまいりました。

私にとっては、北斗星が初めてというよりも、
寝台列車に乗ること自体が初めての体験でした。

走っている電車の中で、
人目を気にすることなくゆったりと横になれることに
最初は違和感があったのですけど、
それが次第に心地よさに変わっていきます。

グランシャリオという食堂車は、
予約制のディナータイムが終了すると、
誰でも利用できるパブタイムが始まります。

今後もおそらく北斗星にあまり乗る機会がないため、
せっかくなので利用させていただきました。

食堂車に入って席に着いた瞬間、
銀河鉄道999の中で、
メーテルと鉄郎が食堂車でビフテキを注文するシーンが
頭によみがえってきましたね。。。

7日の17時半前に大宮を出発し、
終点の札幌に到着したのが翌8日の9時半前。

乗車時間はまるまる16時間にもなりましたけど、
個室(2人用デュエット)ということもあって、
かなり快適に過ごせました。

北斗星には、
北斗星に乗ることを目的としたリピータが多いと聞きましたけど、
実際に乗ってみると、その理由も分かる気がします。
(編集後記に続く)


それでは、今週もよろしくお願いします。



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 ☆今週の話題
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 ☆1.シュワスマン・ワハマン第3彗星 16年後は。。。

 ☆2.ハレー彗星の大接近(1910年)

 ☆3.編集後記



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 ☆1.シュワスマン・ワハマン第3彗星 16年後は。。。
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一昨日13日ごろ、
シュワスマン・ワハマン第3彗星の本体と考えられているC核が
地球に最接近しました。

ただ、最接近時にも、
期待もかけて予想されていた3等級まで達することはなく、
このまま減光しながら、地球から離れていくこととなります。

最も太陽に近づく6月7日ごろ(近日点)には、
6等級ほどの明るさになると予想されています。


そんなシュワスマン・ワハマン第3彗星は、
1995年秋に大バーストを引き起こして以来、分裂が止まることがなく、
現在でも、刻一刻と分裂や崩壊が引き起こされています。

ハッブル宇宙望遠鏡では、
B核とG核の分裂・崩壊の様子をくっきりと捉えることに成功しました。
こちらのサイトは英文ですけど、
静止画を繋げた動画も提供していますので、ぜひご覧になってみて下さい。
http://hubblesite.org/newscenter/newsdesk/archive/releases/2006/18/


また、ハワイにある「すばる望遠鏡」でも、
崩れゆくB核からこぼれおちる破片を鮮明に捉えています。
分裂したそれらの破片からも尾がのびている様子がしっかりと分かります。
http://subarutelescope.org/Pressrelease/2006/05/11/j_index.html

5月11日の時点で、
既に50以上もの核に分裂していることが確認されています。


このように分裂を繰り返すシュワスマン・ワハマン第3彗星は、
ゆるい楕円軌道にのって、
5.36年という短い期間で太陽の周りを1周します。

軌道が楕円のため、
地球との最接近は、3周に1度、つまり16年に1度というわけです。

実際に確認してみましょう。

今回、最接近した13日でのC核の位置を基点として、
今後3周している間の地球との位置について、
太陽系を上から俯瞰する形でシミュレーションしてみました。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060515.html#01

このシミュレーションからも分かるとおり、
次回の最接近は16年後の2022年夏になります。


とはいっても。。。

16年後に最接近するためには、
そもそもシュワスマン・ワハマン第3彗星が彗星としての形を
残している必要があります。

3周している間に、
このまま分裂・崩壊がどんどん進んだ結果、
既に彗星とは呼べない、宇宙のチリとなってしまう可能性もあるわけです。

はたして、シュワスマン・ワハマン第3彗星は、
16年後も、その姿を私たちの前にあらわしてくれるのでしょうか。。。



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 ☆2.ハレー彗星の大接近(1910年)
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シュワスマン・ワハマン第3彗星に沸いた2006年春でしたけど、
いまから96年前の1910年の春には、
あの、世紀の大彗星ハレー彗星が地球に超大接近しました。

ちょうど、5月19日から21日ごろにかけては、
ハレー彗星のイオンテイルとダストテイルに地球が次々と入る形となり、
当時は、その瞬間に地球の空気がなくなって窒息するなどの噂が流れて、
パニックになったといわれています。

実際、その当時のハレー彗星の尾は、
最大で140度にも達したといわれていますので、
人々は、感動よりも恐怖のほうが大きかったかもしれません。

どんな感じに見えていたのかといいますと。。。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060515.html#02

いかがですか。
まさに「ほうき星」ですね。

現在100歳以上のご長寿の方たちは、
この時のハレー彗星を目撃した貴重な生き証人というわけですね。


ハレー彗星はその後、
20年前の1986年に再び地球に接近しましたけど、
この時は、大接近というわけにはいかず、
実際に、3〜4等級ほどの明るさにしか観ることが出来ませんでした。

また、いちばん尾がのびる近日点ごろのハレー彗星は、
太陽を挟んだ向こう側になってしまったことも、
観測のマイナス条件となってしまいました。


ただ、私もそうですけど、
このハレー彗星をきっかけにして
天文や星を観ることに興味を持った方も多いはず。

そういう意味では、
やはり偉大な彗星には違いありません。


ちなみに。。。
ハレー彗星の次回の接近は、2061年の夏。
55年後ですね。。。

私も87歳かぁ。。。(遠い目。。。)



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 ☆3.編集後記
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(前振りからの続き)
今回は、北斗星のほか、小樽と函館にて1泊ずつしました。

厚手のコートこそ必要ありませんでしたけど、
特に朝晩はけっこう冷え込みました。
(函館山では昼間とはいえ息が真っ白になりました。。。)

昼間は、太陽が照る時間もあったのですけど、
薄もやがかかっていることも多く、
残念ながら、夜にはたくさんの星を望むことは出来ませんでした。

札幌の大通公園の桜はほぼ満開、
函館の五稜郭公園の桜はまだ一分咲きといった感じでしたね。
(五稜郭はいまごろがちょうど満開でしょうか。)

まさか5月になってから桜を見ることが出来るとは思っていなかったので、
今年はちょっとトクした気分になりましたぁ。

なかなか何度も北海道に赴く機会もありませんけど、
今度行く時は、富良野以北をまわってみようかな。

北斗星にもまた乗りたいですね。
皆さんも機会があれば是非!

「北斗星に乗ってみたいなぁ」という方は、
こちらの「北斗星の家」をご覧になってみて下さい。
きっと乗ってみたくなりますよ!
http://www.hokutosei.net/


それでは、また来週にお会いしましょう☆彡



なお、このメルマガの全バックナンバーはこちらにご用意しております。
http://nagarebosi-kirari.com/index1-6.html



「だいじょうぶ。あかちゃんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」



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2006年5月13日における、
シュワスマン・ワハマン第3彗星C核と地球の位置。

太陽系を真上から見ている様子となります。

薄い黄色の線が、
シュワスマン・ワハマン第3彗星C核の軌道です。

なお、この彗星の軌道は、
黄道面に対して僅かに傾いています。


1周し終えた2011年9月20日における、
シュワスマン・ワハマン第3彗星C核と地球の位置。

C核と地球の距離が分かりやすいように、
お互いを線で結んでみました。


2周し終えた2017年1月27日における、
シュワスマン・ワハマン第3彗星C核と地球の位置。


ちょうど3周し終えた2022年6月3日における、
シュワスマン・ワハマン第3彗星C核と地球の位置。

実際には、ちょっとまだ距離がありますね。


2022年7月15日ごろには、
ここまで接近します。

16年後もC核やB核などの主要核は
ちゃんと残っていてくれるのでしょうか。。。



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1910年5月19日朝3時ごろの東の空です。

ハレー彗星の頭はまだ地平線の下ですけど、
彗星の尾、特に太くて立派なダストテイルが大きく伸びています。

これだけでも壮観です。

ペガススの四辺形の大きさと比べるまでもなく、
とんでもない大彗星であることが分かります。


1910年5月22日夜20時の西から南にかけての空。

ハレー彗星は近日点を過ぎた後です。

ちょうど西の彗星の頭、
その尾の広がりは、南をはるかに通り越しています。

月明かりがありますけど、
その尾は万人の目を釘付けにしたことでしょう。

こんな情景を1度でいいから目撃してみたいものですね。

もし身内やご近所に、
このハレー彗星の大接近を目の当たりにされた方がいらっしゃったら、
その当時の様子をお聞きになってみてはいかがでしょうか。



ちなみに。。。

1910年5月19日ごろの、
ハレー彗星と地球はこんな位置関係でした。

ちょっと分かりにくいのですけど、
地球が、細く伸びたイオンテイルに入っています。


1910年5月21日ごろの、
ハレー彗星と地球はこんな位置関係。

地球が、大きく広がったダストテイルにしっかり入っています。



「だいじょうぶ。あかちゃんは
こころが ようせいに なりましたからね。
はねなんか なくても いつまでも
みんなの ことを わすれませんよ。」


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