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流れ星TOP 2010/2/8 第224号
“おおすみ”打ち上げから40年
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 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

       第224号 2010年2月8日発行
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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。


引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろん、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。


NASAは1日、記者会見において、
2004年に発表した有人月探査プログラム
「コンステレーション計画」を凍結することを表明しました。

これだけを聞くと、
景気悪化による予算不足かと思われるかもしれません。

しかし、2011年度からの5年間においては、
2010年度よりも予算は増額されています。

コンステレーション計画は、
予定よりもスケジュールが遅れていて、かつ、
予算オーバーになっている状況になっています。

このままコンステレーション計画を続けるよりも、
次の5つの方針を柱にした計画に変更することになります。

・国際宇宙ステーション(ISS)の運用期間の延長
・予算の削減と雇用創出を目指した民間との技術開発協力
・将来の有人探査を見据えた太陽系の探査
・地球の気候とその影響に関する研究
・学生を対象にした科学・技術・工学・数学分野の教育プログラムの実施


【関連リンク】
NASAが5か年予算案を発表、歴史的な方針転換(アストロアーツ)
http://www.astroarts.co.jp/news/2010/02/03nasa/

コンステレーション計画(ウィキペディア)
http://nagarebosi.zz.tc/Constellation


それでは、今週もよろしくお願いします☆彡



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 ☆今週の話題
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 ☆1.金星と海王星が超接近(8日)、細すぎる月と水星が並ぶ(12日)

 ☆2.日本初の人工衛星“おおすみ”打ち上げから40年

 ☆3.編集後記



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 ☆1.金星と海王星が超接近(8日)、細すぎる月と水星が並ぶ(12日)
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まず1つ目は、
本日8日、金星と海王星が超接近します。

両者は角距離で1度にまで近づきます。

ただし、太陽からあまり離れていないため、
日没直後を狙うしかないのですけど、
海王星は8等級なので見えないです。


続いて2つ目は、12日の明け方、
1月27日に西方最大離角となった水星と、
新月間近の細すぎる月が並びます。

これも太陽から離れていないので、
見るためには日の出直前を狙うしかありません。


8日、日没後の金星の位置(西南西)、および、
12日、日の出前の月と水星の位置(東南東)はコチラ。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20100208.html#01



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 ☆2.日本初の人工衛星“おおすみ”打ち上げから40年
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40年前の1970年2月11日、
東京大学宇宙航空研究所(宇宙航空研究開発機構の前々身)によって、
日本初の人工衛星「おおすみ」が、
鹿児島宇宙空間観測所(現在の内之浦宇宙空間観測所)から
打ち上げられました。

人工衛星打ち上げの成功は、
ソ連、アメリカ、フランスについで4番目となりました。


実は、おおすみはこの1機だけではありませんでした。

1966年9月26日、
L−4Sロケット1号機の打ち上げが始まって以来、
3号機まで失敗となり、衛星軌道に投入しないL−4Tロケットも失敗。
(Lはラムダの略。)

1969年9月22日、
満を持しての4号機打ち上げも失敗に終わりました。

当時、実験主任だった野村民也さんの手記にはこう記されています。

「3号機までは「初めての実験だから」と周りからも激励され、
 比較的強気で居れたのであるが、この時の精神的打撃は、
 流石に大きかった。(中略)それやこれやで暫くは胸がつかえ、
 食事もろくに喉を通らないわが生涯最悪の日々であった ……。」

そして、迎えた1970年2月11日。
「内之浦の紺碧の空に、L−4S型5号機が
 紅蓮の炎を吐きながら飛び立っていった。(中略)
 日本で最初の人工衛星が誕生したのである。
 最終軌道の遠地点は5150km、近地点は335kmであった。」

打ち上げから約2時間半後、
内之浦でおおすみからのビーコン電波を受信、
地球を1周してきたことが証明されました。

この衛星を「おおすみ」と命名したのは、
当時ロケットチームを率いていた玉木章夫さんでした。

「打上げ地に因んで「おおすみ」と命名します。
 今日は日本晴れ。‘澄’にも通ずるし、
 ローマ字の頭文字‘O’で非常に小さいという感じが出るので。
 オーとエスの間にエイチを入れてください。Ohsumiですね。」

L−4Sロケットは誘導制御装置が付いていない、
世界初の無誘導衛星打ち上げロケットでもありました。

「こうして実験班が心血を注いだL−4Sによる衛星が誕生した。
 成功を実験班と共に喜び町をあげて歓迎してくれた
 内之浦の方々の協力が大きな力になった。
 今でもその時の感謝の気持ちは忘れない。(井上浩三郎)」


おおすみは、
質量23.8kg、長さ100cm、太さ48cmの小さな衛星です。

搭載電池の寿命は約30時間だったものの、
予想以上の高温により電池容量が減った結果、
7周目の信号は受信できず、
南アフリカのヨハネスブルグで弱い信号を受信したのが最後でした。

おおすみは、14〜15時間でその機能を失ったまま、
以降、地球を回り続けることになりました。


そして、33年後の2003年8月2日。
大気との摩擦で高度が低下したおおすみは、
大気圏に突入、燃え尽き消滅しました。

位置は、エジプトとリビアの国境の砂漠地帯でした。

「「おおすみ」の誕生は、
 宇宙科学研究所やメーカーの人たちにとって、青春の喜びの頂点に位置し、
 多くの関係者にとっても「宝の思い出」でもある。
 あのころの湧き上がるような団結の力を、
 日本の宇宙開発が再び取り戻すことができる日を願ってやまない。」


文中の「」内は、
『日本の宇宙開発の歴史【宇宙研物語】』より抜粋引用しました。

日本の宇宙開発の歴史【宇宙研物語】(宇宙科学研究本部)
http://www.isas.ac.jp/j/japan_s_history/
↑日本の宇宙開発について詳細にまとめられています。
 とっても面白いです! 一読の価値アリ!

第3章 ラムダの苦悩と栄光
http://www.isas.ac.jp/j/japan_s_history/chapter03/01/
↑おおすみ打ち上げ成功までをまとめた章。
 「栄光のラムダ」ページで当時の映像が見られます。

【関連リンク】
日本初の人工衛星「おおすみ」誕生(ISAS/井上浩三郎)
前編:http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.257/mspace.html
後編:http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.258/mspace.html



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 ☆3.編集後記
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「再び人類を月へ」をうたったコンステレーション計画の凍結は、
リアルタイムにアポロ計画の興奮を知らない私にとっては、
少し残念なニュースではありました。

「凍結」という言葉をどのように捉えるかで、
それぞれの受け止め方のニュアンスが変わってくる気がします。

ただ、将来の有人探査を見据えた探査は継続するということで、
それによって、さらなる知識や技術を得た上で、
きっと再びNASAが月を目指す時が来ると信じます。


それでは、また来週にお会いしましょう☆彡


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2010年2月8日、日没後の西南西の空。


金星と海王星は1度まで接近。
8等級の海王星は見えないですね。。。
(視野円3度)




2010年2月12日、日の出前30分ごろの東南東の空。
(月齢27.6)


ビーズの首飾りのような月と水星。
(視野円7度)




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