2013/8/19 第408号 豪雨去り 澄んだ夜空に 夏三角 |
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★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。 ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡 第408号 2013年8月19日発行 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 こんにちは。 「流れ星」の鈴木です。 ご愛読いただいている皆さま、 新しく読者登録していただいた方、 本当にありがとうございます。 11月からISSに長期滞在する予定の 日本人宇宙飛行士の若田光一さんの訓練の様子が12日、 モスクワ郊外で公開されました。 訓練は、国際宇宙ステーションで火災が発生したという設定で行われ、 若田さんは、立ち込める煙に包まれながら 地球の管制センターと連絡を取ったり、 乗組員たちに消火の指示を出したりしました。 若田さんは「非常に順調な仕上がりだと思います。 コミュニケーションもしっかりできたと思いますし、 全員が、それぞれを助け合うような形で、 チームワークも非常によく整っている」とコメント。 若田さんが乗るロシア宇宙船「ソユーズ」は、 11月7日にカザフスタンの宇宙基地から打ち上げられる予定で、 若田さんは約半年の滞在中、最後の2ヶ月間は 日本人初のISS船長を務めることになります。 また、滞在期間中には、 ISSにソチオリンピックの聖火が運ばれる計画があります。 それでは、今週もよろしくお願いします☆彡 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆今週の話題 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 ☆1.赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の打ち上げから10年 ☆2.編集後記 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆1.赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の打ち上げから10年 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 NASAが開発した赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」は、 10年前の2003年8月25日に ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。 1940年代にはじめて宇宙望遠鏡の提案を行なった ライマン・スピッツァーJr博士が名前の由来です。 スピッツァーの軌道は、多くの人工衛星のように 地球をまわるものではなく、 地球を追いかける形で太陽をまわるものとなっています。 スピッツァーには、口径85cmの反射望遠鏡が搭載されていて、 高精度の赤外線観測を行なうため、 液体ヘリウムで5.5ケルビン(約摂氏マイナス268度)まで 冷却する仕組みとなっています。 順調に観測を続けたスピッツァーですけど、 2009年5月15日に冷却用の液体ヘリウムが底をつき、 超低温モードでの運用が終了します。 とはいえ、スピッツァーは、 30ケルビン(約摂氏マイナス243度)までは冷却されているため、 同年7月27日から高温モードでの運用が始まりました。 この温度でも、比較的短い波長の赤外線を観測できるのです。 ところで。 赤外線を宇宙に向けると、 一体どのようなことが分かってくるのでしょうか。 例えば、天の川を可視光線、近赤外線、遠赤外線でみてみましょう。 可視光線でみると、天の川銀河の光の中に、 塵の雲で星が隠された部分が黒い帯に見えます。 近赤外線でみると、塵の雲(黒い帯)を透かして、 その後ろにある星が見えてきます。 遠赤外線でみると、星は見えなくなり、 代わりに塵そのものが光って見えてきます。 このように、赤外線を使うと、 宇宙にある塵の雲を透かして、 その向こうにある星や銀河が見えたり、 マイナス200度以下にもなる塵の雲そのものが見えてきます。 この特性をいかすことにより、 次のような成果が期待できます。 【銀河の進化を探る】 初期の宇宙でつくられた星の光は、 大きなドップラー効果の影響により、 赤外線領域で観測されます。 また、生まればかりの銀河は、 非常に激しい星生成を起こしている可能性が高く、 赤外線で最も明るく見えると考えられています。 つまり、赤外線で観測された銀河を調べることで 銀河の歴史が分かってきます。 【星の一生を調べる】 銀河の中ではガスやダストの雲の中から 星が生み出されています。 しかし、ガスやダストの雲が邪魔をするため、 生まればかりの星は可視光では見ることが出来ない反面、 赤外線では最も明るく見ることが出来ます。 また、星はその一生を終えるとき、 外層を吹き飛ばしたり自らが爆発したりすることによって、 次の世代の星をつくる材料を放出します。 星の進化と放出されるガスやダストの量・成分などは 未だに解決していない分野です。 赤外線によって星生成領域を観測することで 星の誕生から最期まで調べようとしています。 【褐色矮星を探す】 銀河の中には、存在すると考えられてはいるものの、 まだ発見されていない「暗黒物質(ダークマター)」と 呼ばれる物質があります。 暗黒物質の候補の一つとして考えられているのが、 「褐色矮星(かっしょくわいせい)」です。 この星は、熱核融合反応を起こすことが出来ないため、 高温で光り続けることは出来ません。 つまり、可視光では観ることが出来ません。 しかし、赤外線を使えば、 低温で小さな褐色矮星を観ることが出来ます。 赤外線で広い領域を観測することで、 銀河内にある褐色矮星の質量と数を調べ、 暗黒物質(ダークマター)の謎に迫ります。 【太陽系外の惑星系を探す】 惑星は、恒星をとりまくガスやダストからなる 円盤(原始惑星系円盤)の中でつくられます。 赤外線を使うと、 その原始惑星系円盤からの放射を観測することが出来ます。 観測結果から、 これらの円盤中で惑星系が生まれる過程を 明らかにしていきます。 赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の 膨大な観測データの解析は現在も続いています。 そのデータから、 また少しずつ宇宙の歴史、謎が判明していくことでしょう。 【関連リンク】 アストロアーツによるスピッツァー関連の記事一覧 赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」による初画像 http://www.astroarts.co.jp/news/2003/12/20spitzer/ スピッツァーによって捉えられた荒れ狂う星たちのゆりかご http://www.astroarts.co.jp/news/2004/01/27tarantula/ スピッツァー望遠鏡が捉えた、美しい輝きを放つ星の生と死の舞台 http://www.astroarts.co.jp/news/2004/03/15henize206/ スピッツァー・サイエンス・アーカイブの公開 http://www.astroarts.co.jp/news/2004/05/20spitzer_archive/ スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡、惑星形成領域に生命をつくる物質成分を発見 http://www.astroarts.co.jp/news/2004/06/08protoplanetary_discs/ スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡、暗黒物質を赤外線で捉える http://www.astroarts.co.jp/news/2004/06/15dark_matter/ 赤外線宇宙望遠鏡スピッツァー、天の川銀河にそっくりな銀河を観測 http://www.astroarts.co.jp/news/2004/07/08ngc7331/ スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡が明かした、惑星形成の新シナリオ http://www.astroarts.co.jp/news/2004/10/26planetary_formation/ スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡、ハロウィーンのお化けを捉える http://www.astroarts.co.jp/news/2004/11/02halloween/ スピッツァーが捉えた、太陽系外の小惑星帯の証拠 http://www.astroarts.co.jp/news/2005/04/26asteroid_belt/ 赤外線天文衛星スピッツァーがとらえたプレアデス星団 http://www.astroarts.co.jp/news/2007/04/13seven_sisters/ チャンドラ、ハッブル、スピッツァーがとらえたソンブレロ銀河 http://www.astroarts.co.jp/news/2007/05/02sombrero_galaxy/ スピッツァーとチャンドラ、4つの銀河による大合併を撮影 http://www.astroarts.co.jp/news/2007/08/21galaxy_pileup/ スピッツァーとチャンドラ、遠方宇宙に超巨大なブラックホールを数百個発見 http://www.astroarts.co.jp/news/2007/11/22missing_black_holes/ 星が星を生む証拠写真、スピッツァーが撮影 http://www.astroarts.co.jp/news/2008/08/25spitzer_w5/ ホームズ彗星のバーストに赤外線で迫る http://www.astroarts.co.jp/news/2008/10/17holmes_ir/ スピッツァーがとらえた銀河の目 http://www.astroarts.co.jp/news/2009/08/03ngc1097/ スピッツァー、二度目のファーストライト http://www.astroarts.co.jp/news/2009/08/11warm_spitzer/ スピッツァーが見た、惑星どうしの衝突現場 http://www.astroarts.co.jp/news/2009/08/18planetary_collision/ あかり・すばる・スピッツァー、惑星系形成の鍵をにぎる天体を発見 http://www.astroarts.co.jp/news/2010/06/22debris-disk/ スピッツァー、地球よりも小さい系外惑星の候補を発見 http://www.astroarts.co.jp/news/2012/07/24exoplanet/ ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆2.編集後記 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 12日のスピカ食とペルセウス座流星群、 いかがだったでしょうか。 私は自宅から臨んだのですけど、 スピカ食は、ゲリラ豪雨直後で、雲が取れず、 ペルセ群も、すっきり晴れない中、 13日の明け方前に、数個の流星を確認しました。 【関連リンク】 8月12日スピカ食ギャラリー(アストロアーツ) http://www.astroarts.jp/photo-gallery/special/230 2013年ペルセウス座流星群ギャラリー(アストロアーツ) http://www.astroarts.jp/photo-gallery/special/229 それでは、また来週にお会いしましょう。 ↓このメルマガの全バックナンバーはコチラです。 http://nagarebosi-kirari.com/index1-6.html |
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