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流れ星TOP 2023/2/13 第903号
爆発寸前か?オリオン座1等星ベテルギウス
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 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

       第903号 2023年2月13日発行


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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。



ご愛読いただいている皆さま、
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それでは、今週もよろしくお願いします☆彡





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 ★今週の話題

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 ★1.月とアンタレスが並ぶ(15日早朝)


 ★2.爆発寸前か? オリオン座1等星ベテルギウス


 ★3.編集後記





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 ★1.月とアンタレスが並ぶ(15日早朝)

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月は今週、
昇り始める時間を遅らせながら、
徐々に細くなりつつ、
夏の黄道星座、
てんびん座、さそり座、
いて座を移動していきます。


15日の日の出前には、
さそり座で
1等星アンタレスと並びます。


月とアンタレスは約1度まで近づきます。


凍てつく朝に輝く
冬のさそりと、その心臓。


なかなか絵になります。



15日早朝の月とアンタレスの様子はコチラ。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga3/20230213.html#01







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 ★2.爆発寸前か? オリオン座1等星ベテルギウス

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4つの星に囲まれた3つの星。


その形の美しさ故に、
冬の星座の代表というより、
星座の代表といっても
過言ではないかもしれません。


2つの1等星を持つ星座といえば、
オリオン座です。


今回は、そのオリオンの右肩で赤く輝く1等星、
ベテルギウスのお話です。



地球から550光年の距離にあるベテルギウスは、
直径が太陽の約1000倍、
質量が太陽の約20倍。


赤く輝いているのは、
表面温度が低いためで、
その温度は約3800度。
(ちなみに太陽は約6000度。)



ベテルギウスは、
0.0等級から−1.3等級の間で
明るさが変わる変光星です。


19世紀はじめ、
観測からベテルギウスが
変光していることが発見されたものの、
なぜ変光するのかは謎のままでした。


それから約80年後の20世紀はじめ、
ベテルギウスの大きさを測ることが試みられて、
直径が太陽の300倍であることが発表されました。


しかし、変光の謎はいまだ解けません。


さらに40年後、精密な観測により、
直径が太陽の約1000倍あること、
またその直径が変化していることが分かりました。


つまり、ベテルギウスは
大きさが変化することで明るさが変わる
脈動型の変光星であることが分かったのです。



それでは、なぜ、
ベテルギウスは大きさが変わるのでしょうか。


恒星は、誕生した後、
内部で核融合を行ないながら、
まわりの膨大なエネルギーを発します。


晩年を迎えるころには、
温度が低くなっていくと同時に、
膨らみながらガスを放出していきます。


ただし、ある程度膨らむと、
今度は冷える作用と重力により、縮みます。


赤色巨星や赤色超巨星と呼ばれる、
晩年を迎えた恒星が
大きさを変えるのはこのためです。



ベテルギウスは、
既に一生の99%が終わっているともいわれていて、
最近の詳細な観測により、
その形も明らかになってきました。


ベテルギウスは丸い球ではなく、
その一部が大きく盛り上がり
瘤状になっているというのです。


この瘤状のものはベテルギウス本体の
半分近くにもなるといわれています。


これは、
ベテルギウス内部で起こっている対流が、
普通の恒星に比べて異常に大きいことが
原因だと考えられます。


このことからも、
ベテルギウスが非常に
不安定であることが分かります。


つまり、間もなく一生を終えて、
超新星爆発を起こす可能性が高いのです。



超新星爆発で有名なのは、
おうし座にある「かに星雲(M1)」です。


この星雲は、
1054年に超新星爆発を起こした残骸で、
当時の記録によると、
爆発時は金星くらいの明るさになり、
23日間にわたって昼間でも
肉眼で見えたとのこと。


かに星雲の、
地球からの距離は約7200光年ですから、
その約13分の1ほどの距離にあるベテルギウスが
超新星爆発を起こしたら、
地球からはどう見えるのでしょうか?



まず、温度が急上昇するため、
色は赤から青に変わり、急速に増光します。


爆発から1時間後には全天で最も明るい星となり、
3時間後には満月の100倍の明るさに達し、
昼間でも人の目を引くほどです。


しかも、なんと、この明るさは3ヶ月も続きます。


4ヶ月後には、爆発の温度が下がり、
色が青からオレンジへと変わっていきます。


温度はさらに下がり、
色も赤へと変わり、暗くなっていき、
4年後には、ベテルギウスは
肉眼では見えなくなります。


そして、数百年後には、
爆発で飛ばされたガスが、
オリオン座の上半身を包む様子を
目にすることが出来るようになります。



それでは、地球への影響はないのでしょうか?


恒星が超新星爆発を起こす際、
非常に強力なガンマ線(放射線)が放出されます。


ガンマ線は地球のオゾン層を破壊します。


紫外線から地球を守っている
オゾン層が破壊されることで、
地上の動植物は深刻なダメージを受けるでしょう。


これは大問題です。


地球は大丈夫なのでしょうか?



超新星爆発で放出されるガンマ線は、
その恒星の自転軸から
角度で2度以下と限定されます。


ベテルギウスの自転軸を観測した結果、
地球に対して20度ほど
ズレていることが分かりました。


どうやら、ガンマ線の直撃は避けられそうです。



ベテルギウスの爆発は、いつ起こるのでしょうか。


間近であることは間違いなくても、
それが今日なのか、まだ数百年先なのか、
それは分かりません。


550光年離れているということは、
現在、私たちが目にしているベテルギウスの光は
550年前に発せられたもの。


もしかしたら、
リアルタイムでは既に爆発していて、
その光が到達していないだけ、
ということも考えられます。


(ということは、
 リアルタイムで今爆発したとしても、
 その様子を私たちは見ることは
 出来ないのです。。。)



研究者ならずとも、
この目でベテルギウスの最期を見てみたいものです。



オリオン座、ベテルギウスは冬の代表です。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga3/20230213.html#02






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 ★3.編集後記

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10日の雪は、
私の地域では積もることもなく
助かりました。



それでは、また来週にお会いしましょう。




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2023年2月15日早朝5時ごろの南の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢24.0)



月とアンタレス
(視野円7度)










オリオン座の右肩で赤く光るベテルギウスは、
シリウス、プロキオンとともに冬の大三角形を形作ります。

そのベテルギウスが恒星の一生を終え、
まもなく爆発するかもしれません。










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