2006/4/17 第25号 乙女のすがた しばしとどめむ |
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★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜 今夜はどんな星空が見えるでしょう。。。 ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡 第25号 2006年4月17日発行 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜 こんにちは。 「流れ星」の鈴木です。 引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろんのこと、 新しく読者登録していただいた皆さん、 本当にありがとうございます。 アメリカの惑星協会(Planetary Society)が、 SETI専用の望遠鏡を完成させたというニュースがありましたね。 (SETI:Search for Extraterrestrial Intelligence 地球外知的生命体の探索) SETIといえば、「SETI@home」という、 登録ユーザをインターネット上で結んで、 宇宙からの信号を相互補完しながら分析するシステムが有名です。 読者の中にも、参加されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 今回、オークリッジ天文台に設置された口径180センチの SETI専用望遠鏡では、 もし地球外知的生命体が地球に向けてレーザー光線のような 人工光を発しているとした場合に、 星からの光とそれらの光を区別して検出することが可能となるそうです。 SETI@homeの日本語サイトはコチラ http://www.planetary.or.jp/setiathome/home_japanese.html 日本惑星協会のサイトはコチラ http://www.planetary.or.jp/ アメリカ惑星協会のサイトはコチラ(英文です) http://www.planetary.org/home/ それでは、今週もよろしくお願い致します。 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆今週の話題 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆1.乙女のすがた しばしとどめむ ☆2.おとめ座は銀河の宝庫 ☆3.編集後記 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆1.乙女のすがた しばしとどめむ ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ 乙女のすがた しばしとどめむ (あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ) 小倉百人一首の12番目、 僧正遍昭(そうじょうへんじょう 816年〜890年)が読んだ句です。 この句をご存知の方はきっと沢山いらっしゃいますよね。 空を吹きぬける風よ、 雲の中にあるという天に通じる道をどうか閉じておくれ。 舞が終れば天に帰ってしまう乙女たちを、 もうしばらくは此処に引き留めておくために。 なんだか、 読んでいるこちらのほうが恥ずかしくなってしまうほどの、 すばらしい感性だと思いませんか? そんな、僧正遍昭の願い虚しく、 天にかえってしまった乙女たち。。。 その姿を、春のこの季節にご覧いただくことが出来ます。 それが、前々回、前回でも少し話題になりました「おとめ座」です。 もちろん、僧正遍昭のこの句とおとめ座とは、 まったく何の関係もないのですけど、 おとめ座の神話・由来そのものも諸説たくさんあるわけで、 それならば、 この句を口ずさみつつ、天つ風(春の嵐)に身を委ねながら、 天にのぼった乙女(おとめ座)に思いを馳せてもバチは当たらないでしょう。 おとめ座は、全天で2番目という大きな星座です。 しかししかし。。。 大きいわりには、 1等星のスピカ以外に、これといった目立った星があるわけでもなく、 なので、逆に大きい故に、その形が掴みにくい星座でもあります。 http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060417.html#01 おとめ座に星座絵を当てはめてみると分かるとおり、 スピカは、おとめが左手に持つ麦の穂あたりで光っています。 なので、スピカは、 そのまま「麦の穂」「先が尖ったもの」という意味です。 ちなみに、このスピカは、その青白い輝きのために、 日本では真珠星として親しまれていました。 (この「真珠星」という感性もすごくいいですよねぇ。。。) おとめ座の姿は、 正義と天文の女神アストレアとも、 農耕と大地の女神デメーテルや、その娘ペルセポネ、 はたまた、知恵の女神アテナでもあるといわれています。 これは、このおとめ座自体が、メソポタミアの時代から由来し、 それにまつわるギリシャ神話は後からつけられた可能性が考えられます。 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆2.おとめ座は銀河の宝庫 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 前々回の第23号でも話題にしましたけど、 おとめ座〜かみのけ座にかけては、沢山の銀河が分布しています。 http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060403.html#02 それらの中でも明るい銀河は、 もちろん、メシエカタログに登録されています。 改めて数えてみると、けっこう数があるんですよ、これが。 M49 M58 M59 M60 M61 M84 M86 M87 M89 M90 M104 メシエカタログの天体が110個(うち存在不明3個)なので、 実にその1/10がおとめ座の銀河ということになりますね。 http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060417.html#02 これらの銀河のうち、 M49、M58、M59、M60、M61、M87の6銀河が、 おとめ座銀河団に属しています。 おとめ座銀河団は、地球から5900万光年の位置に、 約1000個の銀河が集まっています。 この銀河団の中心付近にはM87が位置していると考えられています。 また、おとめ座で有名な銀河といえば、 おとめ座とからす座の境界付近にあるソンブレロ銀河(M104)でしょう。 その名前のとおり、 メキシコのソンブレロ帽を斜め上から見たような感じです。 http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060417.html#03 実際には、渦巻銀河をほぼ真横から眺めている姿となります。 リンク先に載せているハッブル宇宙望遠鏡の画像だと、 ちょっと解像度がありすぎて、 あんまりソンブレロに見えないですね。。。 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ☆3.編集後記 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 まったく星とは関係ないのですけど、 僧正遍昭の句を取り上げたついでに、ちょっとした箸休めということで。。。 宝塚歌劇が始まった初期の頃には、 彼女たちの芸名は百人一首から名づけられたものが多かったようです。 その中でも、 今回とりあげました「天つ風」の句に由来した 天津乙女(あまつおとめ)は 紫綬褒章や勲四等宝冠章を受賞するなど、宝塚の大御所でした。 また、同じ「天つ風」の句に由来した 通路吹子(かよいじふきこ)という方もいらっしゃったとのこと。 ほぉ〜、ほぉ〜、ほぉ〜。。。 それでは、また来週にお会いしましょう☆彡 なお、このメルマガの全バックナンバーはこちらにご用意しております。 http://nagarebosi-kirari.com/index1-6.html |
おうし座生まれ(4/20〜5/20)のあの人にこんなプレゼントはいかがですか? |
2006年4月19日夜21時ごろの南東の空。 いちばん目を引くのは木星でしょうね。 その右上で青白く光っているのがスピカです。 (緑の十字で囲まれている星。) おとめ座は、まだのぼってまもないですね。 これから初夏にかけて見ごろとなります。 おとめの姿を当てはめてみました。 ご覧いただいているように、 スピカは、おとめが左手に持つ麦の穂先に位置しています。 |
おうし座生まれ(4/20〜5/20)のあの人にこんなプレゼントはいかがですか? |
おとめ座、かみのけ座、しし座付近にある、 メシエカタログに登録された銀河を示してみました。 (緑の囲み線は、各星座の領域です。) おとめ座とかみのけ座の境界付近をアップにしてみました。 おとめ座銀河団の中心付近にM87が存在すると考えられています。 |
おうし座生まれ(4/20〜5/20)のあの人にこんなプレゼントはいかがですか? |
メキシコのソンブレロはこんな感じ。 もう少し低いものもありますよね。 (提供:NASA) ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたソンブレロ銀河(M104)。 銀河を取り巻く暗黒帯の微細まで 鮮明に写し出しています。 ですけど、鮮明すぎて、 逆に、ソンブレロに見えなかったり。。。 (提供:国立天文台) 口径50cmカセグレン式望遠鏡(F12)によるM104。 これくらいのほうがソンブレロっぽいですか。。。 |
「だいじょうぶ。あかちゃんは こころが ようせいに なりましたからね。 はねなんか なくても いつまでも みんなの ことを わすれませんよ。」 |
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