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流れ星TOP 2011/6/27 第296号
赤外線で宇宙をみると
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 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

       第296号 2011年6月27日発行
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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。


引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろん、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。


既に一般ニュースでも報道があったように、
日本の赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO−F)が、
6月17日をもって科学観測を終了しました。

あかりは、2006年2月22日に
内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、
赤外線天文学について多くの成果を上げてきました。

運用予定を3年だったものの、
それを超えて運用を続けたあかりは、
約130万天体に及ぶ「赤外線天体カタログ」の
基礎データなどを観測していました。

今年5月24日、あかりに電力異常が発生していることが判明、
復旧は困難と判断されました。

今後は電力異常の原因を調査するとともに、
確実な運用終了に向けた作業を行なうとのこと。


【関連リンク】
赤外線天文衛星「あかり」(ISAS)
http://www.ir.isas.jaxa.jp/ASTRO-F/index-j.html

赤外線天文衛星「あかり」が科学観測を終了(アストロアーツ)
http://www.astroarts.co.jp/news/2011/06/20akari/

赤外線天文衛星「あかり」に電力異常(アストロアーツ)
http://www.astroarts.co.jp/news/2011/05/25akari/

「あかり」が赤色巨星の塵の詳細観測に成功(アストロアーツ)
http://www.astroarts.co.jp/news/2011/03/25akari/index-j.shtml


それでは、今週もよろしくお願いします☆彡



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 ☆今週の話題
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 ☆1.月、火星、すばるが並ぶ(28日早朝)

 ☆2.赤外線で宇宙をみると

 ☆3.国際宇宙ステーションを見よう! 古川さん滞在中!

 ☆4.編集後記



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 ☆1.月、火星、すばるが並ぶ(28日早朝)
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明日28日の早朝、
新月直前の月が、火星のもとへとやってきます。

火星は現在、おうし座にあって、
今回の会合には、ボーナスとして
月と火星の隣にはすばるも並びます


また、29日から30日にかけて、
月は金星へと近づくものの、
30日が新月のため、ほとんど見ることは出来ません。


28日早朝の、月、火星、すばるの様子はコチラ
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20110627.html#01



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 ☆2.赤外線で宇宙をみると
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普段、見ている景色や人。


「見ている」ということは、
それらが発したり、反射している光(電磁波)を
自分の目が捉えているという何よりの証拠です。



しかし。



私たち人間の目で捉えられる光は「可視光」だけ。

そして、その可視光は、電磁波の中でも
ごく限られた範囲でしかありません。


例えば、人間の目では見えない電磁波として、
「赤外線」があります。

赤外線は、可視光の赤色より波長が長く、
電波の波長よりも短い電磁波です。

赤外線は本質的には熱線です。

太陽の光を浴びて暖かくなるのは赤外線のおかげです。

また、身近なところでは、
携帯電話間の赤外線通信に使われていますね。

温度を色で表すことのできる
サーモグラフィーも赤外線を利用しています。



さてさて。


それでは、赤外線を宇宙に向けると、
どのようなことが分かってくるのでしょうか。

例えば、天の川を可視光線、近赤外線、遠赤外線でみてみましょう。

可視光線でみると、天の川銀河の光の中に、
塵の雲で星が隠された部分が黒い帯に見えます。

近赤外線でみると、塵の雲(黒い帯)を透かして、
その後ろにある星が見えてきます。

遠赤外線でみると、星は見えなくなり、
代わりに塵そのものが光って見えてきます。


このように、赤外線を使うと、
宇宙にある塵の雲を透かして、
その向こうにある星や銀河が見えたり、
マイナス200度以下にもなる塵の雲そのものが見えてきます。


この特性をいかすことにより、
次のような成果が期待できます。


【銀河の進化を探る】
初期の宇宙でつくられた星の光は、
大きなドップラー効果の影響により、
赤外線領域で観測されます。

また、生まればかりの銀河は、
非常に激しい星生成を起こしている可能性が高く、
赤外線で最も明るく見えると考えられています。

つまり、赤外線で観測された銀河を調べることで
銀河の歴史が分かってきます。


【星の一生を調べる】
銀河の中ではガスやダストの雲の中から
星が生み出されています。

しかし、ガスやダストの雲が邪魔をするため、
生まればかりの星は可視光では見ることが出来ない反面、
赤外線では最も明るく見ることが出来ます。

また、星はその一生を終えるとき、
外層を吹き飛ばしたり自らが爆発したりすることによって、
次の世代の星をつくる材料を放出します。

星の進化と放出されるガスやダストの量・成分などは
未だに解決していない分野です。

赤外線によって星生成領域を観測することで
星の誕生から最期まで調べようとしています。


【褐色矮星を探す】
銀河の中には、存在すると考えられてはいるものの、
まだ発見されていない「暗黒物質(ダークマター)」と
呼ばれる物質があります。

暗黒物質の候補の一つとして考えられているのが、
「褐色矮星(かっしょくわいせい)」です。

この星は、熱核融合反応を起こすことが出来ないため、
高温で光り続けることは出来ません。
つまり、可視光では観ることが出来ません。

しかし、赤外線を使えば、
低温で小さな褐色矮星を観ることが出来ます。

赤外線で広い領域を観測することで、
銀河内にある褐色矮星の質量と数を調べ、
暗黒物質(ダークマター)の謎に迫ります。


【太陽系外の惑星系を探す】
惑星は、恒星をとりまくガスやダストからなる
円盤(原始惑星系円盤)の中でつくられます。

赤外線を使うと、
その原始惑星系円盤からの放射を観測することが出来ます。

観測結果から、
これらの円盤中で惑星系が生まれる過程を
明らかにしていきます。



科学観測を終了した赤外線天文衛星「あかり」の
膨大な観測データの解析は現在も続いています。

そのデータから、
また少しずつ宇宙の歴史、謎が判明していくことでしょう。


(本稿は、赤外線天文衛星「あかり」(ISAS)
 http://www.ir.isas.jaxa.jp/ASTRO-F/index-j.html
 を参考にしました。)


【関連トピック】
宇宙からのX線をとらえろ!
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20080218.html


【関連リンク】
赤外線天文衛星「あかり」の観測成果(ISAS)
http://www.ir.isas.jaxa.jp/ASTRO-F/Outreach/results/results.html



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 ☆3.国際宇宙ステーションを見よう! 古川さん滞在中!
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国際宇宙ステーション(ISS)は普通に肉眼で見ることが出来ます。
下記の目視予想を参考にしてタイミングを合わせましょう!


★日付|★見え始め時間(方角/高さ)|★最大の高さ(方角/高さ)

【稚内】
27日|20:10(北西/12度) |20:13(北北東/45度)
27日|21:46(西北西/11度)|21:48(南西/30度)
28日|20:46(西北西/10度)|20:49(南西/64度)
30日|20:23(西北西/13度)|20:25(南西/39度)

【札幌】
27日|20:10(北西/12度) |20:13(北北東/30度)
27日|21:46(西北西/10度)|21:48(西南西/40度)
28日|20:46(北西/12度) |20:49(東北東/80度)
29日|21:23(西/11度)  |21:25(南西/26度)
30日|20:23(西北西/12度)|20:26(南南西/60度)
02日|19:59(西北西/11度)|20:02(南南西/34度)

【秋田】
27日|21:46(北西/12度) |21:48(北西/43度)
28日|20:47(北西/12度) |20:49(北北東/39度)
29日|21:23(西北西/11度)|21:25(西南西/44度)
30日|20:23(北西/13度) |20:26(東北東/64度)
02日|20:00(西北西/13度)|20:02(西南西/64度)

【仙台】
27日|21:47(北西/13度) |21:48(北西/33度)
28日|20:47(北北西/13度)|20:50(北北東/33度)
29日|21:23(西北西/12度)|21:25(西/40度)
30日|20:23(北西/10度) |20:26(北北東/56度)
01日|21:00(西北西/11度)|21:02(南西/29度)
02日|20:00(北西/11度) |20:03(西南西/77度)
04日|19:36(西北西/11度)|19:39(南西/39度)

【東京】
27日|21:47(北西/10度) |21:48(北北西/24度)
29日|21:23(北西/11度) |21:25(北西/38度)
30日|20:24(北北西/11度)|20:27(北東/33度)
01日|21:00(西北西/10度)|21:02(西南西/41度)
02日|20:00(北西/12度) |20:03(東北東/59度)
03日|20:37(西北西/12度)|20:39(南西/24度)
04日|19:37(北西/14度) |19:39(西南西/65度)

【金沢】
27日|21:46(北北西/11度)|21:48(北/31度)
29日|21:23(北西/12度) |21:25(北北西/58度)
30日|20:23(北北西/11度)|20:26(北北東/29度)
01日|20:59(西北西/12度)|21:02(南南西/59度)
02日|20:00(北西/13度) |20:02(北北東/50度)
03日|20:36(西北西/11度)|20:38(西南西/30度)

【名古屋】
27日|21:47(北北西/12度)|21:48(北/24度)
29日|21:23(北西/13度) |21:25(北北西/43度)
30日|20:24(北北西/12度)|20:26(北東/24度)
01日|21:00(北西/14度) |21:02(西南西/68度)
02日|20:00(北西/11度) |20:03(北東/41度)
03日|20:36(西北西/13度)|20:39(南西/35度)
04日|19:40(南東/35度) |19:40(南東/35度)

【大阪】
29日|21:23(北西/10度) |21:25(北/40度)
01日|20:59(北西/11度) |21:02(北西/86度)
02日|20:00(北北西/11度)|20:03(北東/33度)
03日|20:36(西北西/11度)|20:39(南西/44度)

【広島】
29日|21:23(北北西/12度)|21:25(北北東/32度)
01日|20:59(北西/10度) |21:02(北北東/58度)
02日|20:00(北北西/12度)|20:02(北東/24度)
03日|20:35(北西/11度) |20:38(南西/68度)

【福岡】
29日|21:23(北北西/12度)|21:25(北東/24度)
30日|21:58(北西/10度) |22:00(西北西/25度)
01日|20:59(北北西/11度)|21:02(北東/41度)
02日|21:35(西北西/12度)|21:37(西南西/30度)
03日|20:35(北西/12度) |20:38(東/77度)

【鹿児島】
01日|20:59(北北西/11度)|21:02(北東/31度)
02日|21:35(西北西/10度)|21:37(西/31度)
03日|20:36(北西/13度) |20:38(北北東/59度)

【那覇】
02日|21:36(北西/11度) |21:37(北北西/26度)
04日|21:12(北西/11度) |21:15(西/51度)


ISSを見る前に詳しい情報を下記のJAXAサイトで
確認することをオススメします。
(見え方のシミュレーションなどが掲載されています。)

また、「観測地の選択」ページで、
上記以外の細かい観測地が選択できます。
(緯度、経度の指定もできます。)


【関連リンク】
国際宇宙ステーションを見よう(JAXA)
http://kibo.tksc.jaxa.jp/

ISSを見よう 観測地の選択(JAXA)
http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/

国際宇宙ステーションの探し方と注意事項(JAXA)
http://iss.jaxa.jp/iss/map/guide.html



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 ☆4.編集後記
☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡

梅雨の中休みとはいえ、
連日の猛暑にはまいりました。

24日には熊谷でなんと39.8度。

本格的な夏に向けて、体調を整えていきたいです。


それでは、また来週にお会いしましょう☆彡


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2011年6月28日未明4時ごろ東の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢26.7)


新月直前の月、火星、すばる
(視野円10度)




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