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流れ星TOP 2012/6/25 第348号
雨上がり あじさい照らす 月明かり
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 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

       第348号 2012年6月25日発行

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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。



引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろん、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。



超新星ハンターとして国際的にも有名な
山形県の板垣公一さんが6月14日の一晩のうちに、
おとめ座の銀河に超新星2012cu、
ろくぶんぎ座の銀河に超新星2012cwの2個の超新星を発見しました。


板垣さんによる今年2012年の超新星発見は
3月以来2個目と3個目になり、通算発見数はなんと78個になりました。


板垣さんは1ヶ月以内に3個以上の超新星発見という
快挙を過去10回以上達成しているほか、
2006年9月3日には超新星と新星という異なる種類の天体を
一晩に発見して話題になりました。


今回の快挙で
「一晩で2個の超新星発見」という新たな記録が加わりました。


【関連リンク】
板垣公一さんのウェブサイト「Supernova」
http://www.k-itagaki.jp/

日本人が発見した超新星一覧(国立天文台)
http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html



それでは、今週もよろしくお願いします☆彡



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 ☆今週の話題
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 ☆1.月のわたり旅 26日火星、28日土星スピカ、1日アンタレス


 ☆2.さそりの赤い火 アンタレス


 ☆3.国際宇宙ステーションを見よう!


 ☆4.編集後記



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 ☆1.月のわたり旅 26日火星、28日土星スピカ、1日アンタレス
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台風4号が過ぎ去った日は、
キレイな空が広がって、
強風をのぞけば、気持ちの良い日になりました。

スッキリした青空を見たのも久しぶりのような。
夜には曇ってしまいましたけど。。。


雲には関係なく、
その上では着々と夏の夜空へと変わっていて、
月も、4日の満月に向けて徐々に太くなっていきます。


明日26日には、上弦の半月となり、
おとめ座としし座の間にいる火星と並びます。


28日には、おとめ座の左手あたりに移動して、
土星とスピカにご挨拶。


さらに、週末1日には、
さそり座の赤い心臓アンタレスのもとへ。


雨上がり、ほんの雲の切れ目を見つけたら、
月を探してみて下さい。


26日の月・火星、28日の月・土星・スピカ、
1日の月・アンタレスの様子はコチラ
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20120625.html#01



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 ☆2.さそりの赤い火 アンタレス
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「あれはなんの火だろう。
 あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう」
ジョバンニが言いました。

「蠍(さそり)の火だな」
カムパネルラがまた地図と首っぴきして答えました。

「あら、蠍の火のことならあたし知ってるわ」

「蠍の火ってなんだい」ジョバンニがききました。

「蠍がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えているって、
 あたし何べんもお父さんから聴いたわ」


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宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の一場面です。

小さな虫を殺して食べていたサソリはある日、イタチに襲われ、
逃げている最中に井戸へ落ちてしまいます。

井戸でおぼれそうになったサソリは、
その身をイタチにくれてやらなかったことを悔やみ、
神さまにお願いします。

「どうか神さま。私の心をごらんください。
 こんなにむなしく命をすてず、どうかこの次には、
 まことの幸(さいわい)のために私のからだをおつかいください」

すると、サソリのからだ真っ赤な美しい火になって、
夜の闇を照らすようになった、と。



宮沢賢治が、このサソリの赤い火を
さそり座の1等星アンタレスの赤い輝きから
ヒントを得ているのは言うまでもないでしょう。

アンタレスがちょうどサソリの心臓部分にあることから、
そこから「命の火」というイメージを膨らませたのかもしれません。

また、アンタレスは0.9等級から1.2等級の間で
わずかながらに変光する脈動型変光星であることも、
「心臓」というイメージにうまく当てはまっているとも言えますね。



アンタレスは、その赤い色が示している通り、
表面温度が3500K(ケルビン)と低い赤色超巨星で、
恒星としては年老いた星です。

地球からの距離550光年、
その直径は太陽の600〜800倍もあり、
明るさは1万倍にもなります。



赤く光る惑星といえば、火星ですよね。

実は、「アンタレス」という名前は火星が関係しています。

火星は、英語でマーズ(Mars)で、
これはローマ神話の軍神マルスから来ています。

ギリシャ神話でマルスに対応するのがアレスで、
これに、「対抗する」という意味の接頭辞「アンチ」をつけて、
「アンチ・アレス」から「アンタレス」になりました。



ちょうど今頃の時期が、
さそり座の見ごろなのですけど、
日本では梅雨の時期と重なってしまって、
その雄姿をじっくりと見る機会は少ないかもしれません。


ちょっとした晴れ間を使って、
ぜひ、心臓で光る赤い火アンタレス、
そしてさそりの姿を見つけてみて下さい。



6月後半21時〜22時ごろのさそり座の様子はコチラ
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20120625.html#02



【関連トピック】
恥ずかしがり屋の大サソリ(さそり座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060710.html

夏秋の1等星くらべっこ
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20110815.html



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 ☆3.国際宇宙ステーションを見よう!
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国際宇宙ステーション(ISS)は普通に肉眼で見ることが出来ます。
下記の目視予想を参考にしてタイミングを合わせましょう!


★日付|★見え始め時間(方角/高さ)|★最大の高さ(方角/高さ)

【稚内】
【札幌】
(近日中に好条件の目視予想はありません)


【秋田】
26日|20:01(西北西/11度)|20:04(南西/49度)


【仙台】
26日|20:02(西北西/12度)|20:05(南南西/55度)


【東京】
25日|20:56(西北西/12度)|20:58(西南西/39度)
26日|20:02(北西/11度) |20:05(北/82度)
28日|19:51(西北西/11度)|19:54(南西/34度)


【金沢】
25日|20:55(西北西/13度)|20:58(西南西/50度)
26日|20:01(北西/12度) |20:04(北東/69度)
28日|19:50(西北西/12度)|19:53(西南西/42度)


【名古屋】
25日|20:55(北西/12度) |20:58(南西/60度)
26日|20:02(北西/13度) |20:04(北北東/55度)
28日|19:50(西北西/11度)|19:53(南西/51度)


【大阪】
25日|20:55(北西/13度) |20:58(南/73度)
26日|20:01(北西/10度) |20:04(北東/45度)
28日|19:50(北西/12度) |19:53(南南西/65度)


【広島】
25日|20:55(北西/12度) |20:58(東北東/69度)
26日|20:01(北北西/12度)|20:04(北北東/32度)
27日|20:44(西北西/12度)|20:46(西南西/39度)


【福岡】
25日|20:55(北北西/13度)|20:57(北北東/48度)
27日|20:43(北西/11度) |20:46(南西/58度)


【鹿児島】
25日|20:55(北北西/13度)|20:58(北東/36度)
27日|20:44(北西/12度) |20:47(南南西/75度)


【那覇】
27日|20:45(北北西/13度)|20:47(北東/34度)
29日|20:33(北西/13度) |20:36(南/67度)



ISSを見る前に詳しい情報を下記のJAXAサイトで
確認することをオススメします。
(見え方のシミュレーションなどが掲載されています。)

また、「観測地の選択」ページで、
上記以外の細かい観測地が選択できます。
(緯度、経度の指定もできます。)



【関連リンク】
国際宇宙ステーションを見よう(JAXA)
http://kibo.tksc.jaxa.jp/

ISSを見よう 観測地の選択(JAXA)
http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/

国際宇宙ステーションの探し方と注意事項(JAXA)
http://iss.jaxa.jp/iss/map/guide.html



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 ☆4.編集後記
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週末7月1日は、
2009年1月1日以来3年半ぶりに
「うるう秒」が挿入されます。

うるう秒とは、
地球など天体の動きに基づく時刻(天文時)と
原子時計の刻む時刻(原子時)が
0.9秒以上ずれないようにするために、
1秒を加えたり、除いたりする操作のことです。


7月1日の場合は、
1日を1秒ながくするということで、
実際にはどのようにするかというと、

 8時59分59秒
→8時59分60秒
 9時00分00秒

といった具合に、
59分台に「60秒」を加えます。


例えば、
NTTの時報サービス117ではどうするかというと、、
午前9時直前の100秒前(午前8時58分20秒)から、
1/100秒づつ秒音の間隔を長くして、
午前9時にはちょうど日本標準時に合うように調整するそうです。


また、「ひかり電話」の時報サービスでは、
午前9時00分00秒のお知らせ音(ポーンという音)を
2回鳴らすことで調整するとのこと。


うるう秒をめぐっては、
将来的な廃止が国際電気通信連合(ITU)で
議論されていますけど、
当面は存続することになっています。


うるう秒は、
挿入される時期が不定期でもあることから、
コンピューターの誤作動の懸念などが指摘されていて、
また、原子時計を使っている全地球測位システム(GPS)には
うるう秒は適用されていないため、
混乱の原因にもなりかねないとの意見もあります。


なお、うるう秒を廃止すると、
天文時と原子時のズレは
100年で90秒に拡大するとのことです。


【関連リンク】
「うるう秒」挿入のお知らせ(情報通信研究機構)
http://www.nict.go.jp/press/2012/01/31-1.html



それでは、また来週にお会いしましょう。



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2012年6月26日20時30分ごろの西の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢6.9)


上弦の半月と火星
(視野円7度)






2012年6月28日20時30分ごろの南西の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢8.9)


月、土星、スピカが集まります
(視野円10度)






2012年7月1日21時ごろの南の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢11.9)


月とアンタレス
(視野円7度)





6下旬21時〜22時ごろの南の空。
晴れてくれれば、
S字を描くサソリの雄姿を見ることが出来ます。
その心臓で赤く輝くアンタレスを目印にしましょう。
(天の川は強調処理してあります。)




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