2022/6/27 第870号 梅雨を乾かす サソリの赤い火 アンタレス |
|
---|---|
★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。 ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡 第870号 2022年6月27日発行 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 こんにちは。 「流れ星」の鈴木です。 ご愛読いただいている皆さま、 新しく読者登録していただいた方、 本当にありがとうございます。 それでは、今週もよろしくお願いします☆彡 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ★今週の話題 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 ★1.ギラつく牡牛の左目 明けの明星 ★2.さそりの赤い火 アンタレス ★3.編集後記 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ★1.ギラつく牡牛の左目 明けの明星 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 せっかく太陽系7惑星が勢ぞろいしているのに、 梅雨雲がなかなか邪魔してくれています。 そんな日の出前、 おうし座で輝く明けの明星=金星が 牛の顔の方に移動しています。 そして、7月1日、 牡牛の左目でギラギラ輝きます。 右目には、 もともと1等星アルデバランがいるので、 ちょうど両目が光っていることになります。 両目の牡牛、 なかなか珍しいです。 7月1日日の出1時間前ごろの明けの明星、アルデバランの様子はコチラ。 http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga3/20220627.html#01 ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ★2.さそりの赤い火 アンタレス ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 <===============> 「あれはなんの火だろう。 あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう」 ジョバンニが言いました。 「蠍(さそり)の火だな」 カムパネルラがまた地図と首っぴきして答えました。 「あら、蠍の火のことならあたし知ってるわ」 「蠍の火ってなんだい」ジョバンニがききました。 「蠍がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えているって、 あたし何べんもお父さんから聴いたわ」 <===============> 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の一場面です。 小さな虫を殺して食べていた サソリはある日、イタチに襲われ、 逃げている最中に井戸へ落ちてしまいます。 井戸でおぼれそうになったサソリは、 その身をイタチにくれてやらなかったことを悔やみ、 神さまにお願いします。 「どうか神さま。私の心をごらんください。 こんなにむなしく命をすてず、どうかこの次には、 まことの幸(さいわい)のために 私のからだをおつかいください」 すると、 サソリのからだが真っ赤な美しい火になって、 夜の闇を照らすようになった、と。 宮沢賢治が、このサソリの赤い火を さそり座の1等星アンタレスの赤い輝きから ヒントを得ているのは言うまでもないでしょう。 アンタレスが ちょうどサソリの心臓部分にあることから、 そこから「命の火」というイメージを 膨らませたのかもしれません。 また、アンタレスは 0.9等級から1.2等級の間で わずかながらに変光する脈動型変光星であることも、 「心臓」というイメージに うまく当てはまっているとも言えますね。 アンタレスは、 その赤い色が示している通り、 表面温度が3500K(ケルビン)と低い赤色超巨星で、 恒星としては年老いた星です。 地球からの距離550光年、 その直径は太陽の600〜800倍もあり、 明るさは1万倍にもなります。 赤く光る惑星といえば、 火星ですよね。 実は、「アンタレス」という名前は 火星が関係しています。 火星は、英語でマーズ(Mars)で、 これはローマ神話の軍神マルスから来ています。 ギリシャ神話で マルスに対応するのがアレスで、 これに、「対抗する」という意味の 接頭辞「アンチ」をつけて、 「アンチ・アレス」から 「アンタレス」になりました。 ちょうど今頃の時期が、 さそり座の見ごろなのですけど、 日本では梅雨の時期と重なってしまって、 その雄姿をじっくりと見る機会は少ないかもしれません。 ちょっとした晴れ間を使って、 ぜひ、心臓で光る赤い火アンタレス、 そしてさそりの姿を見つけてみて下さい。 6月後半21時〜22時ごろのさそり座の様子はコチラ http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga3/20220627.html#02 【関連トピック】 恥ずかしがり屋の大サソリ(さそり座) http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060710.html 夏秋の1等星くらべっこ http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20110815.html ★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡 ★3.編集後記 ☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡〜☆彡〜★彡 まさか6月に40度超えとか。 関東は、むこう1週間、雨マークがない。 梅雨、どこ行った? それでは、また来週にお会いしましょう。 ↓このメルマガの全バックナンバーはコチラです。 http://nagarebosi-kirari.com/index1-6.html |
ご購読の登録はコチラです |
2022年7月1日、日の出1時間前ごろの東の空。 明けの明星=金星とアルデバランが 地平線上で並んでいます。 左目には明けの明星=金星が、 右目にはアルデバランが光ります。 |
6月下旬21時〜22時ごろの南の空。 晴れてくれれば、 S字を描くサソリの雄姿を見ることが出来ます。 その心臓で赤く輝くアンタレスを目印にしましょう。 |
かに座生まれ(6/22〜7/22)のあの人に絵本のプレゼントはいかがですか? |
このページの星図、シミュレーション図は、 株式会社アストロアーツのステラナビゲータを使用しています。 |
Copyright (C) 2005~ nagarebosi. All Rights Reserved. |