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流れ星TOP 2011/7/11 第298号
金の林檎を守るラドン
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 今宵はどんな星空が見えるでしょう。。。

     ☆彡 流 れ 星 か ら の 贈 り 物 ★彡

       第298号 2011年7月11日発行
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こんにちは。
「流れ星」の鈴木です。



引き続き、ご愛読いただいている方々はもちろん、
新しく読者登録していただいた皆さん、
本当にありがとうございます。


スペースシャトル「アトランティス」が8日11時20分
(日本時間0時29分)、
ケネディ宇宙センターから打ち上げられました。

1981年から30年間続いたスペースシャトル計画の
最後のミッションとなります。

有人宇宙開発の代名詞といっても過言ではない
スペースシャトルの姿を
もう見られないのかと思うと、少し複雑な気持ちです。


それでは、今週もよろしくお願いします☆彡



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 ☆今週の話題
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 ☆1.月とアンタレスが並ぶ(11日)

 ☆2.金の林檎を守るラドン りゅう座

 ☆3.ヘスペリデス園の黄金の林檎 (ヘラクレスの荒行その3)

 ☆4.編集後記



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 ☆1.月とアンタレスが並ぶ(11日)
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本日11日、
月と、さそり座1等星アンタレスが並びます。

初夏を代表するさそり座は、
いまがまさに見ごろ。

月がサソリの赤い心臓を照らす様子を楽しみましょう。


11日21時ごろの月とアンタレスの様子はコチラ。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20110711.html#01



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 ☆2.金の林檎を守るラドン りゅう座
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昨年2010年、日本を沸かせた男、
坂本龍馬。


龍と馬。


馬を彷彿とさせる星座には、
ペガスス座、こうま座、いっかくじゅう座があります。

この3星座は前にご案内しましたね。


そして。


今回、ご紹介するのは、
龍のほう、まさに、そのままズバリ、


りゅう座 です。


りゅう座があるのは、北の空。

北斗七星やカシオペヤ座などと同じく、
日本のほとんどの地域で1年中見られます。

とはいっても、やはり地平付近では見にくいわけで、
21時ごろでは、6〜7月がいちばん見えやすい高さになります。


こぐま座を取り囲むような姿のりゅう座。

こぐまを食べようとしているのか、
守ろうとしてるのかは定かではありません。。。


りゅう座で忘れてはいけないのが、
α星のトゥバン(3.7等級)。

このトゥバンは、実は、
紀元前3000年〜2800年ごろでは北極星でした。


え、北極星って動くの!?


動くんです。


これは、地球の「歳差(さいさ)」という運動のためです。

詳しくは、コチラの「え?北極星って動くの!?」をどうぞ
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060605.html


アラビア語で「竜」を意味するトゥバンは
尻尾の付け根あたりにあります。

竜の頭にあるβ星ラスタバン(2.8等級)、
γ星エルタニン(2.2等級)は、
アラビア語が語源で、いずれも「竜の頭」を意味します。

普通は、明るい星からα、βと付けられるのですけど、
りゅう座の場合は、かつて北極星だったトゥバンの方が
重要視されたためα星になったのかもしれまえせん。


このように古くから知られるりゅう座は、もちろん、
2世紀の天文学者プトレマイオス(トレミー)の
48星座にその名を連ねています。


このりゅう座は、ギリシャ神話では、
黄金の林檎を守る、100の頭をもつラドンの姿とされます。

ラドンは、口から炎を吐き、
100の頭のうちどれかが目を覚ましているため、
眠ることがないといわれています。


このラドンの弟は、
ヘラクレスに倒されたヒュドラ(12の荒行の2番目)。

ヘラクレスは、
12の荒行の11番目として、
この黄金の林檎を取ってくるように命じられます。


さて、ヘラクレスは、
無事に黄金の林檎をとってこられるのでしょか。。。


それは、このあとで。



7月中旬21時ごろのりゅう座の位置などはコチラ。
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20110711.html#02



【関連トピック】
え?北極星って動くの!?(歳差運動について)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060605.html


<馬をモチーフにした星座たち>
岩からうまれた天馬(ペガスス座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20101025.html

♪おうまのきょうだい なかよしこよし(こうま座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20090914.html

ユニコーンにはバラがお似合い?(いっかくじゅう座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20070129.html



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 ☆3.ヘスペリデス園の黄金の林檎 (ヘラクレスの荒行その3)
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大神ゼウスの妻ヘラの呪いによって、
我が子を殺し、妻をも失ったヘラクレス(ヘ)。

その罪を償うため、
ミケーネ国王エウリュステウス(エ)から荒行を課されることになる。

ヘラクレスは、ネメア谷の獅子、レルネの沼のヒュドラを倒し、
ケリュネイアの大きな雌鹿、エリュマントス山の大猪を生け捕りに。

そして、30年間!掃除していないアウゲイアスの家畜小屋を
川の水で一気に掃除した後、ステュムパリデスの怪鳥を退治する。

つづいて、クレタ島の牡牛、ディオメデスの人喰い馬を生け捕り、
アマゾン女王の黄金の腰巻をひったくり、
さらに、ゲリュオンが飼う紅い牛を生け捕った!

次に、エウリュステウス王がヘラクレスに命じたのは、
ヘスペリデスの園に実るという黄金の林檎を持ち帰ってくる、
というものだった。。。


 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

ヘ「元気ですかー! 元気ですよー!」

エ「お前は、わしの言ったことを聞いていたのか?」

ヘ「ヘスペリデスっていうのは、どこにあるんですかー??」

エ「いちおう聞いていたのか。。。
  ヘスペリデスへの行き方はわしも知らん。が。
  カウカサス山(コーカサス山)で
  鷲に食べられているプロメテウスが知っているはずだ。
  あの神は、人間に火を教えてしまったが故に、
  ゼウスに傷めつけられているのだ」

ヘ「元気があれば、ヘラクレスがカウカサス山に登る!
  よく分かりませんが、行ってきまーす! ダー!!」


ヘラクレスは、プロメテウス(プ)に会うため、
カウカサス山に登った。


ヘ「なんですかー! この鷲の大群はー!」

ヘラクレスは、棍棒で鷲を追い払った。

プ「ぉぉぉ」

ヘ「お前がプロメテウスですねー!
  ヘスペリデスはどこですかー!」

プ「ぉぉぉ。とりあえず、この縄をほどいてくれんか」


ヘラクレスは、縛られたプロメテウスの縄をほどいた。


ヘ「オレは黄金の林檎が欲しいんですよー!」

プ「お前があまりにも鬱陶しいから、結論を言おう。
  ヘスペリデスの園は、そう遠くはない。
  西の果ての、ほれ、あそこの山頂じゃ。
  そこに、アトラスがいる。。。」

ヘ「ダー!!!」

プ(アトラスには気をつけろ、と言いたかったのだがなぁ。)


ヘラクレスは、アトラス(ア)のもとへ一目散。


ヘ「ここがヘスペリデスですかー!」

ア「あ、あ、ぁぁ、ヘスペリデスはもう少し先だが。
  お主は誰だ?」

ヘ「オレを知らないんですかー?
  ヘラクレス、まさにヘラクレスですよー!」

ア(こ、この筋肉ヤローがヘラクレスなのか。)
 「そうか。で、ナニ用だ?」

ヘ「お前は、何を担いでいるんですかー!」

ア「これか。これはな。天空(天球)だ。
  その昔、我がティターン族がゼウスたちに敗れてな。
  私はゼウスによって天空を担ぐ刑を負わされているのだ」

ヘ「ところで、黄金の林檎はドコですかー!」

ア「お主、ひとの話を全く聞いてないだろ。
  黄金の林檎は、この先の樹に実っている。
  だが。そこには、100の頭を持つラドンという化け物が。。。」

ヘ「ダー!」


またもや、一目散に走り出すヘラクレス。


ア「おい! おい! そこの筋肉!!
  ホントにちょっと待て! 待つんだ!!」

ヘ「何で止めるんですかー!」

ア「あのな。ひとの話は最後まで聞け。
  お主がどれほど強いか知らんが、ラドンはそう簡単には倒せんぞ。
  だが、良い方法がある。
  ラドンは、私にだけなついている。
  そこでだ。
  お主が、私の代わりにこの天空を担いでくれるなら、
  その間に、私が黄金の林檎を採ってきてやろうじゃないか。
  お前も無駄にラドンと戦わなくてすむだろう?」

ヘ「そんなことでいいんですかー!」


ヘラクレスはアトラスから天空を受け取り、肩に担いだ。


ヘ「意外と重いじゃないですかー!」

ア「そう時間はかからん。いま採ってきてやる」


しばらくすると、黄金の林檎を持ってアトラスが帰ってきた。


ア「ところで、ヘラクレス。
  この林檎をどうする気なのだ?」

ヘ「ミケーネのエウリュステウス王に持っていくんですよー!」

ア「おお、そうかそうか。
  それなら、私が代わりにミケーネまで届けてやろう」
 (もう、こんな天空を担いでるのは真っ平御免だ。
  このまま、この筋肉ヤローに担がせてしまおう。)

ヘ「お前は、イイ神ですねー!」

ア(ふふふ。こいつ、ホントにアホだな。)

ヘ「担ぐのはいいけど、
  この天空、けっこう重いじゃないですかー!
  もう少しラクに担ぐ方法はないんですかー!」

ア「ああ、その担ぎ方ではダメだ。
  ちょっと貸してみろ。ここをこう持ってだな」

ヘ「すごいじゃないですかー!
  忘れないうちに、オレは林檎をもっていくんダー!
  アトラス、ありがとうダー!」

ア「いやいや。礼には及ばん」

ヘ「荒行もあと1つダー!!」


ヘラクレスは風のごとくその場を去っていった。


ア「あ、あれ?
  いま天空を担いでいるのは誰だ? 私だ!
  私が、あんな筋肉ヤローにしてやられるとはー!!」



【関連トピック】
数奇な英雄ヘラクレス(ヘルクレス座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20080623.html


<ヘラクレスに倒された星座たち>

天翔ける人喰いライオン(しし座) ヘラクレスの荒行その1
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20090323.html

春空に横たわる大蛇(うみへび座) ヘラクレスの荒行その2
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20090406.html

ヘラクレスに踏まれたカニ(かに座)
http://nagarebosi-kirari.com/mailmaga/20060320.html



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 ☆4.編集後記
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東北大学および仙台市天文台は、9月と10月に実施する
「もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。
 〜高校生×東北大学×仙台市天文台=?〜」に参加する
高校生(および相当者)を募集します。

この企画は、4人でチームを組んで研究テーマを決め、
望遠鏡と冷却CCDカメラを使用しての観測、データ解析、研究発表まで、
すべて参加者自身が行う天文学の実習です。

日程は、9月3〜4日、10月8〜10日、15〜16日の6日間。
(全日程において参加できることが必須。一部のみ参加は不可。)

対象は、高校生または相当者 約16名。

申し込みには、登録サイトから事前の登録の上、作文の提出が必要です。
(8月5日の消印有効。)

内容および申込方法の詳細は、下記の専用サイトをご覧ください。

「もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。
 〜高校生×東北大学×仙台市天文台=?〜」サイト
http://www.astr.tohoku.ac.jp/~nakasho/MosiTen/Welcome.html


それでは、また来週にお会いしましょう☆彡


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2011年7月11日21時ごろ南の空。
黄線:黄道、赤線:天の赤道
(月齢10.9)


月とアンタレス
(視野円7度)





りゅう座は、
21時ごろでは、
6〜7月がいちばん見えやすい高さになります。



この竜は、ギリシャ神話では、
黄金の林檎を守る、100の頭をもつラドンの姿。
ラドンの弟はヒュドラ(うみへび座)です。



ヘラクレスが荒行の11番目に言い渡されたのが、
黄金の林檎を持ち帰るというもの。
その林檎はラドンが守っています。
うしかい座は、ヘラクレスの代わりに林檎を採ってきた
アトラスの姿ともされます。



地球の歳差運動により、
天の北極はこの円を反時計回りに移動していきます。
りゅう座α星のトゥバンは、
紀元前3000年〜2800年には北極星でした。
トゥバンは、りゅう座の尻尾付近で円と接している星、
現在の北極星は、こぐま座の尻尾の星です。



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